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「あっ…待って、さんぞ、そこ痛いかも…」
「うるせぇな、こんなにしたお前がわりぃんだよ」
「好きでしたわけじゃ…あっ!!待って、ちょっと…!」
「大人しくしてろ」
「んっ…痛っ…」
「くっそ、ガチガチじゃねぇか…」
「待って!!マジでそんな…!引っ張るなよ…!あぁ!!」
「あ?ちょっとは気持ちいいだろうが、多少痛いのは我慢しろ」
「嫌だ…っ!俺やっぱ痛いのは…!!」
「ここまでやらせといて何言ってんだ…」
「だって、だって三蔵が…!!」
「…あの…ちょっとー、そこの二人ー。そのあやしい会話やめてくんね?」
「…なんか、僕ちょっといたたまれないです…」
本来であれば二人部屋である宿屋の一室で、八戒と悟浄の空気は重い。
限りなく部屋の隅に追いやられたテーブルで、小さくなった男二人は、肩を落とす。
一つしかないベッドの上では、保護者とペットが取っ組み合いをしていた。
「あ??何だよ、猿が寝違えて首がいてぇってうるせぇからだろ」
「俺のせいじゃねぇよ!昨日三蔵が変な寝方するからじゃん!」
「あ??!てめぇが無駄に俺にすり寄ってきやがったんだろうが!」
「床にごろ寝だったんだから仕方ないじゃん!せめぇもん!だいたい、だからって頭抱え込んで寝る必要ねぇじゃん!俺マジ首痛いし!」
「お前がもぞもぞウゼェから、抑え込んでただけだ」
そもそも、昨日はその一つしかないベッドは、三蔵が一人で寝ていたはずなのだ。
そこに何故悟空が潜り込んだのかが、分からない。
分からないにしても、寝ぼけていたのだろうとか、色々言いわけはつく。
しかし、言いわけした所で、朝目覚めた悟浄と八戒が見たのは、三蔵にがっちり抱え込まれて、うんうん唸りながら眠っている悟空と、がっちり抱え込んで眉をしかめて眠っていた三蔵で。
どうしてお互いに、こんなに嫌そうな顔をしているのに、起きずに仲良く眠っているのかも、分からない。
色々とどう突っ込んだらいいのかが、分からない。
「…俺、どこから突っ込んだらいいのかわかんねぇ」
「もう、やめましょう、悟浄。何かがおかしいのはこの二人には分からないと思います、僕」
「天然でスレスレあやしい会話すんの、マジでやめて欲しい」
「天然でイチャつくのもやめて欲しいです」
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